麻生太郎副総理兼財務相の講演が内外の喧噪に晒される。
「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。
誰も気が付かなかった。あの手口を学んだらどうかね」と、ナチスを肯定したとも思われる発言が問題になっているからです。
全体の主張は、喧噪のなかで憲法改正したくない、隠密裏にしたらどうか、でしょう。
★ナチ党機関紙『フェルキシャー・ベオバハター』(人民の目撃者)に「1918年11月のドイツ戦時体制にできた<11月体制>はいまや清算されるときが来た。
この歴史的意味は、ナチ運動が自由になされることであり、ナチ党が国家権力を握ることである」と、ドイツ国民の多くが何の疑問もなく、いうがままになろうとしていた。
★1932年7月31日、総選挙でナチ党は…一気に過半数を超える大躍進を果たす。
翌年1月30日にドイツ連邦首相<国防派No.1>ヒトラーはワイマール共和制を葬り去って、独裁体制を確立して思うがままに暴走していきます。
もう誰も止められない。日本国憲法は、国家権力の暴走を止めるために存在していることを忘れてはならない。
★お互い肝に銘じたいものです。
「歴史は繰り返す」にストップをかけよう!『鐘撞き人』の≪エピローグ≫には奇しくも、先のような発言が予兆されています。
ワイマール憲法の<11月体制>は<平和憲法>であり、<国防派No.1>首相は日本の場合は誰かと言うまでもないでしょう。
「日本を取り戻す」のスローガンが蘇ります。
★ナチス・ドイツの戦犯追及で知られる米国のユダヤ人権団体は、ユダヤ人大量虐殺に関わった戦犯の情報提供を呼びかけるポスター2000枚をベルリンなどに張り出した。
そのポスターには「遅い。しかし遅すぎはしない」とあり、「過去の殺人を見過す者は、新たな殺人への道を開くことになる」と、70年の追及をゆるめません。
★この追跡キャンペーンから、いかに日本は手ぬるいかが分かります。
『風立ちぬ』のモデルであるゼロ戦設計者の堀越二郎氏のことが思い出されます。
「日本に壊滅をもたらした政策を指導してきた者が全部去らなければ腐敗の種が残る。
『誠実にして叡智ある愛国の政治家出でよ』。これが願いである」という、『終戦日誌』は本当だ。
★「ヒトラーは民主主義によって、議会で多数を握って出てきた。
ワイマール憲法という当時欧州で最も進んだ憲法下にヒトラーが出てきた。
常に、憲法はよくてもそういうことはありえる」と、麻生氏は参議院選挙の当日に安倍首相に「あなたは歴史上にない独裁者に……」と示唆したほど真実を言い当てる講演内容もあるのも事実です。
2013(平成25)年8月6日
「ヒロシマ」原爆の日に
2013年08月10日
「改憲ナチスに学べば」に思う……『鐘撞き人』からのメッセージ(6)
posted by 岳重人 at 19:33| Comment(0)
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