<良識の府>とは参議院を例える代名詞だ。まさに、「良心と常識を持つ」政治家が、衆議院通過した法案を、日本国憲法の「国民主権」「基本的人権」「平和を愛する心」を評価基準にして「本当に国民のためになっているか」を判断することが試されている。憲法違反の議員が、悪法通過させては前代未聞の「悪識の府」に成り下がる。
★昨日、「参院選は違憲、無効」判決で「史上初の英断を尊べ」と『東京新聞』の社説で今日的意義を取り上げている。一面トップに横見出し「秘密国家へ道、廃案に」縦見出しに「分野越えノーベル賞学者ら会を結成」と<保護法案反対31人声明>が掲載されており、50音順に「特定秘密保護法案に反対する学者の会」名簿がある。
★「民主政治は市民の厳粛な信託によるものであり、情報の開示は、民主的な意思決定の前提です。特定秘密保護法案は、この民主主義原則に反するものであり、市民の目と耳をふさぎ秘密に覆われた国、「秘密国家」への道を開くものと言わざるをえません。……戦争へと突き進んだ戦前の政府をほうふつとさせます。」と危険性を指摘。
★「困難な時代であればこそ、報道の自由と思想表現の自由、学問研究の自由を守ることが必須であることを訴えたいと思います。そして私たちは学問と良識の名において、「秘密国家」・「軍事国家」への道を開く特定秘密保護法案に反対し、衆議院での強行採決に抗議するとともに、ただちに廃案にすることを求めます。」との声明。
★「良心と常識のある」学者たちも、ついに立ちあがった。11月20日の特定秘密保護法案の廃案を求めるメディア関係者総決起集会」のアピール有志の鳥越俊太郎氏がラジオで言っていた。実は賛同者の200名の名簿を添えて国会へのアピール文を提出時に、「内調」の職員が受け取ったので、「踏絵」を踏まされた気分になった。
★「内調」とは内閣情報調査室のことで、「内閣の重要政策に関する情報の収集及び分析その他の調査に関する業務をつかさどる」と内閣官房の一組織である。これがなかなかの曲者である。公安警察が大きな影響力を持つ公安情報機関だからだ。鳥越氏の危惧は、ブラックリストに載るメディア関係者200名の情報を提供したことになる。
★1945年10月4日、連合国総司令部(GHQ)は次のような「人権指令」を発した。(1)治安維持法などの治安法規を廃止すること(2)政治犯、思想犯を即時釈放すること(3)一切の秘密警察機関、検閲などを営む関係機関を廃止すること(4)内務大臣、警保局長、警視総監、特別高等課(特高)警察官を罷免することの即時実行を求めた。
★特定秘密保護法案をゴリ押しする安倍首相のポスターにあるスローガン「日本を、取り戻す。」は「人権指令」以前に戻すことだ。戦前の思想統制と弾圧する機関を解散・解体されたが、「人権指令」の正式名「政治的・市民的及び宗教的自由制限の撤廃に関する覚書」を完全に葬り去り「秘密・軍事国家」への道を再び復活させる。(岳 重人)
2013(平成25)年11月29日
「参議院選の違憲無効」の翌日に
2013年12月05日
「秘密・軍事国家への道」に思う……『鐘撞き人』からのメッセージ(15)
posted by 岳重人 at 17:10| Comment(0)
| 日記
「参議院選違憲判決」に思う……『鐘撞き人』からのメッセージ(14)
今年の7月6日、他界された山口仙二さん(享年82)が被爆者として初めて国連本部で、自らのケロイド写真をかざしながらの演説を思い出す。「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ」との叫び声に世界の人々が共感した。安倍・麻生・石破ボンボン・トリオに、その感性が無いのが怖い。
★その広島から一条の<希望の光>が見えた。広島高等裁判所岡山支部が「参議院選挙は違憲で無効」判決を下したことだ。最大4.77倍の一票の格差で選挙制度の定数配分に「一票の不平等」は著しい。
「国権の最高機関として適切に民意を反映する責務があり、……直ちに投票価値の平等が後退して良いという理由は無い」と断じた。
★<良識の府>とは参議院を例える代名詞だ。まさに、「良心と常識を持つ」政治家が、衆議院通過した法案を、日本国憲法の「国民主権」「基本的人権」「平和を愛する心」を評価基準にして「本当に国民のためになっているか」を判断することが試されている。
憲法違反の議員が、悪法通過させては前代未聞の「悪識の府」に成り下がる。
★昨年上梓した<東北再生スケッチ>三部作『舟曳き人』第U部<核と未来>篇の時代設定は1925(大正14)年だ。
3月7日に衆議院で治安維持法は可決され、続いて19日には貴族院でも可決。2月11日、東京各地での治安維持法等の反対デモを尻目に、2月19日に衆議院に同法案を緊急上程して、わずか1か月後に成立させた。
★同年7月18日にはヒトラーが獄中で口述筆記させた『わが闘争』を出版。7年後の1932年7月31日、総選挙でナチ党(230議席)、社会民主党(133)、中央党(77)、小政党(12)と一気に過半数を超える大躍進を果たし、翌年1月30日に首相になり国家権力を握り独裁体制を構築する。
まるで日本の参議院選挙を見ているようだ。
★一党独裁を許した7月21日(日)の参議院選挙が違憲判決なのだ。
特定秘密保護法案の衆議院での強行採決後、今日から参議院で審議が始まった。
なだいなだ氏が願ったような「常識を持った政治家」は<良識の府>を守れるだろうか。
今、一人ひとりの<良心>が問われている。それには国民が廃案にする気骨と信念が大切なのだ。
★今日の『東京新聞』で98歳のジャーナリストむのたけじ氏がインタビューに答えている。敗戦後に「戦争責任を取る」と辞職された気骨ある方だけに歯切れがいい。
「内務省や軍部は記事の内容や写真にいちいち文句を言わなかった。だけど、その前に新聞社側が二重、三重に自分たちで検閲するんだよ」と、自主検閲の罠に陥る。
★「敵国を欺く前に自国民をだますのが戦争の秘訣。そのために脅かして見ざる・聞かざる・言わざるにする『三ザル法』。今の秘密保護法はまさにそれだ」と、新聞社の空気も一変し、二人で話すしかない。「あいつは非国民」と当局に密告された時、犯人が分かるからだ。
情勢分析のために大勢で議論する<良識の火が消えた。(岳 重人)
2013(平成25年)11月28日
「参議院選の違憲無効」の日に
★その広島から一条の<希望の光>が見えた。広島高等裁判所岡山支部が「参議院選挙は違憲で無効」判決を下したことだ。最大4.77倍の一票の格差で選挙制度の定数配分に「一票の不平等」は著しい。
「国権の最高機関として適切に民意を反映する責務があり、……直ちに投票価値の平等が後退して良いという理由は無い」と断じた。
★<良識の府>とは参議院を例える代名詞だ。まさに、「良心と常識を持つ」政治家が、衆議院通過した法案を、日本国憲法の「国民主権」「基本的人権」「平和を愛する心」を評価基準にして「本当に国民のためになっているか」を判断することが試されている。
憲法違反の議員が、悪法通過させては前代未聞の「悪識の府」に成り下がる。
★昨年上梓した<東北再生スケッチ>三部作『舟曳き人』第U部<核と未来>篇の時代設定は1925(大正14)年だ。
3月7日に衆議院で治安維持法は可決され、続いて19日には貴族院でも可決。2月11日、東京各地での治安維持法等の反対デモを尻目に、2月19日に衆議院に同法案を緊急上程して、わずか1か月後に成立させた。
★同年7月18日にはヒトラーが獄中で口述筆記させた『わが闘争』を出版。7年後の1932年7月31日、総選挙でナチ党(230議席)、社会民主党(133)、中央党(77)、小政党(12)と一気に過半数を超える大躍進を果たし、翌年1月30日に首相になり国家権力を握り独裁体制を構築する。
まるで日本の参議院選挙を見ているようだ。
★一党独裁を許した7月21日(日)の参議院選挙が違憲判決なのだ。
特定秘密保護法案の衆議院での強行採決後、今日から参議院で審議が始まった。
なだいなだ氏が願ったような「常識を持った政治家」は<良識の府>を守れるだろうか。
今、一人ひとりの<良心>が問われている。それには国民が廃案にする気骨と信念が大切なのだ。
★今日の『東京新聞』で98歳のジャーナリストむのたけじ氏がインタビューに答えている。敗戦後に「戦争責任を取る」と辞職された気骨ある方だけに歯切れがいい。
「内務省や軍部は記事の内容や写真にいちいち文句を言わなかった。だけど、その前に新聞社側が二重、三重に自分たちで検閲するんだよ」と、自主検閲の罠に陥る。
★「敵国を欺く前に自国民をだますのが戦争の秘訣。そのために脅かして見ざる・聞かざる・言わざるにする『三ザル法』。今の秘密保護法はまさにそれだ」と、新聞社の空気も一変し、二人で話すしかない。「あいつは非国民」と当局に密告された時、犯人が分かるからだ。
情勢分析のために大勢で議論する<良識の火が消えた。(岳 重人)
2013(平成25年)11月28日
「参議院選の違憲無効」の日に
posted by 岳重人 at 12:15| Comment(0)
| 日記
2013年12月02日
「秘密保護法・強行採決」に思う……『鐘撞き人』からのメッセージ(13)
「実りの秋」に、現行憲法はアメリカが押し付けたものだと、自民党憲法改正の前に「特定秘密保護法案」を急ぐ。
民主主義の国民をスパイに見立てて、戦前のようにお互いに監視させる社会状況をつくり、戦争ができる「普通の国」づくりに邁進する。
キャロラインさんの父ケネディ氏は「自分よりも国民を優先するリーダー」なのだ。
★戦前回帰の『美しい国』安倍ボン、マンガ・アニメマニアの麻生ボン、戦艦プラモマニア石破ボンとボンボン・ボンクラ・トリオによる暴走が始まった。
「普通の国」をめざすボンボンのお遊びに付き合っていると、最後はすべてが破滅行為に繋がっていく。
将来にはボンボン以外の格差社会での底辺層の子ども達が戦場へと駆り出される。
★キャロライン・ケネディ駐日大使が岩手県陸前高田の「奇跡の一本松」を訪れた。
「『雨ニモマケズ』の詩を思い浮かべながら、人々が忍耐力と勇気をもって生きていることを心に刻み、多くのことを学んだ」といい、「この二日間は決して忘れることはできない」と、東北の人びとの辛い気持ちを真摯に受け止めている姿に感銘した。
★昨年上梓した<東北再生スケッチ>三部作『舟曳き人』第U部<核と未来>篇で金子みすゞの詩「赤い舟」を扉言葉にした。
「一本松/一本立って/海もみてる、私もひとりで/海みてる。海はまつ青/雲は白、赤いお舟は/まだみえぬ。赤いお舟の/父さまは、いつかの夢の/父さまは、一本松/一本松/いつだろか。」が目に浮かぶ。
★「波は子供、/手をつないで、笑って、そろって来るよ。/波は消しゴム、/砂の上の文字を、みんな消してゆくよ。/波は兵士、/沖から寄せて、一ぺんに、どどんと鉄砲うつよ。/波は忘れんぼ、/きれいなきれいな貝がらを、砂の上においていくよ。」これも金子みすゞの詩「波」だ。
津波の恐ろしさを兵士の鉄砲に例える素晴らしさ。
★1978年1月11日、キャロラインさんが叔父の故エドワード・ケネディ上院議員と初来日し、叔父のご家族に伴ってヒロシマを訪問した。原爆の爆心地にある広島平和記念資料館や日米政府が運営する放射線影響研究所を視察した。その時、ケネディ上院議員は「広島市は核軍縮に向けた前進の必要性を物語る生き証人だ」と、訴えた。
★当時、20歳のキャロラインさんも「広島訪問で深く心を動かされた」と、大使指名後の米公聴会で決意を語った。
今回の訪問に続いて「福島にもいずれぜひ行きたいと考えている」と、ヒロシマで35年前に追体験した放射能汚染の恐ろしさを、叔父のエドワード氏が訴えた「核軍縮の必要性」をキャロライン氏も再認識されるだろう。
★今年の7月6日、他界された山口仙二さん(享年82)が被爆者として初めて国連本部で、自らのケロイド写真をかざしながらの演説を思い出す。
「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ」との叫び声に世界の人々が共感した。
日本のボンボン・ボンクラ・トリオに、その感性がないのが怖い。が、一度ついた<義憤の炎>は消せない。<ボンボン・ボンクラ・トリオ>シリーズの情報開示をします。
2013(平成25)年11月27日
「キャロライン・ケネディさんの誕生日」に
民主主義の国民をスパイに見立てて、戦前のようにお互いに監視させる社会状況をつくり、戦争ができる「普通の国」づくりに邁進する。
キャロラインさんの父ケネディ氏は「自分よりも国民を優先するリーダー」なのだ。
★戦前回帰の『美しい国』安倍ボン、マンガ・アニメマニアの麻生ボン、戦艦プラモマニア石破ボンとボンボン・ボンクラ・トリオによる暴走が始まった。
「普通の国」をめざすボンボンのお遊びに付き合っていると、最後はすべてが破滅行為に繋がっていく。
将来にはボンボン以外の格差社会での底辺層の子ども達が戦場へと駆り出される。
★キャロライン・ケネディ駐日大使が岩手県陸前高田の「奇跡の一本松」を訪れた。
「『雨ニモマケズ』の詩を思い浮かべながら、人々が忍耐力と勇気をもって生きていることを心に刻み、多くのことを学んだ」といい、「この二日間は決して忘れることはできない」と、東北の人びとの辛い気持ちを真摯に受け止めている姿に感銘した。
★昨年上梓した<東北再生スケッチ>三部作『舟曳き人』第U部<核と未来>篇で金子みすゞの詩「赤い舟」を扉言葉にした。
「一本松/一本立って/海もみてる、私もひとりで/海みてる。海はまつ青/雲は白、赤いお舟は/まだみえぬ。赤いお舟の/父さまは、いつかの夢の/父さまは、一本松/一本松/いつだろか。」が目に浮かぶ。
★「波は子供、/手をつないで、笑って、そろって来るよ。/波は消しゴム、/砂の上の文字を、みんな消してゆくよ。/波は兵士、/沖から寄せて、一ぺんに、どどんと鉄砲うつよ。/波は忘れんぼ、/きれいなきれいな貝がらを、砂の上においていくよ。」これも金子みすゞの詩「波」だ。
津波の恐ろしさを兵士の鉄砲に例える素晴らしさ。
★1978年1月11日、キャロラインさんが叔父の故エドワード・ケネディ上院議員と初来日し、叔父のご家族に伴ってヒロシマを訪問した。原爆の爆心地にある広島平和記念資料館や日米政府が運営する放射線影響研究所を視察した。その時、ケネディ上院議員は「広島市は核軍縮に向けた前進の必要性を物語る生き証人だ」と、訴えた。
★当時、20歳のキャロラインさんも「広島訪問で深く心を動かされた」と、大使指名後の米公聴会で決意を語った。
今回の訪問に続いて「福島にもいずれぜひ行きたいと考えている」と、ヒロシマで35年前に追体験した放射能汚染の恐ろしさを、叔父のエドワード氏が訴えた「核軍縮の必要性」をキャロライン氏も再認識されるだろう。
★今年の7月6日、他界された山口仙二さん(享年82)が被爆者として初めて国連本部で、自らのケロイド写真をかざしながらの演説を思い出す。
「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ」との叫び声に世界の人々が共感した。
日本のボンボン・ボンクラ・トリオに、その感性がないのが怖い。が、一度ついた<義憤の炎>は消せない。<ボンボン・ボンクラ・トリオ>シリーズの情報開示をします。
2013(平成25)年11月27日
「キャロライン・ケネディさんの誕生日」に
posted by 岳重人 at 22:17| Comment(0)
| 日記