安倍ボンは「『不可能だ』と諦める心を打ち捨て、わずかでも『可能性』を信じて、行動を起こす。一人ひとりが、自信を持って、それぞれの持ち場で頑張ることが、世の中を変える大きな力になると信じます」。自信過剰が怖い。私は若い頃に旅した根室港の大岩に白ペンキで殴り書きされた「北方領土を返せ!」が目に焼き付いている。
★今年の1月1日に(「元旦・ある特攻隊員」を想う)シリーズをスタートした。その中で安倍ボンの<お・と・も・だ・ち>の一人でNHK経営委員の要職にも推薦された百田尚樹氏について触れた。その時「『誤った愛国心を正す』ことなのだと一方的に突き進んできた戦後のイデオロギーに異を唱えることだった」の主張も紹介した。
★本屋さんに立ち寄ってみると、一番目立つコーナーには百田尚樹著『永遠の0』などの著作物が平積みされて、「今、一番旬な作家」という立札までつく栄誉に輝いている。現段階で山崎貴監督の映画『永遠の0』は興行収入で7週連続トップ1、引退宣言した宮崎駿監督『風立ちぬ』の8週を抜くか、と話題になる破竹の勢いだ。
★2013年興収ベスト5のトップの『風立ちぬ』は約120億円と断トツだった。それに迫る勢いで、昨年の12月21日公開から1月末までに65億円突破し、80億円も夢でない。それだけ影響力が絶大な作品であり、人物になりつつある。そんな百田氏が、かなり物議を醸す論客としても世間を賑わしている。その言動の一部も見よう。
★「日本は戦争に負け、連合国総司令部GHQが当時の日本人に何をしたか。徹底した自虐思想を植え付けた。『日本人、おまえたちが悪いことをしたんだよ』と。なぜか。極東国際軍事裁判(東京裁判)のせいだ」。日本人は自虐思想を植え付けられ、今時の日本人が『愛国心』のない<神国日本>にふさわしくない、とでも言いたいのか。
★「戦後、東京裁判で突然、亡霊のごとく南京大虐殺が出てきた。米軍が自分たちの罪を相殺するためだ。東京大空襲、原爆投下は米軍が悪いのではない。おまえたちが悪いことをしたから、こうなったんだということで、米軍が持ってきたのが南京大虐殺だった。最初は20万人だったが少ないということで30万人にした」と、吠える。
★「とんでもない話だ。確かに戦争だから残虐行為はあった。日本軍も残虐なことをした。でも、これは米軍もしたし、ソ連人もしたし、中国人もした。どこの国もした。これは歴史の裏面、黒い面だ」と東京都知事選の応援演説で飛び出した問題発言だ。しかし、官房長官は「百田氏が個人的に行ったことだ」と、不問に付す態度である。
★別に驚くに値しない。なぜならば、確信犯がアドバルーンを掲げて、安倍ボンの代理で発言効果を試しているだけだ。相乗効果で自作の本は売れる。映画の逆宣伝になる。これは宮崎駿監督の引退宣言と同じ効果を持つ。近々、映画『永遠の0』も100億円の興収を稼ぐかもしれない。戦後レジームの「和解と信頼」を破壊する言動だ。(岳 重人)
2014(平成26)年2月8日
「大雪」の日に
2014年04月18日
「NHK経営委員」に亡国を想う………『国護り人』のメッセージ(61)
posted by 岳重人 at 17:43| Comment(0)
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