2013年12月05日

「参議院選違憲判決」に思う……『鐘撞き人』からのメッセージ(14)

今年の7月6日、他界された山口仙二さん(享年82)が被爆者として初めて国連本部で、自らのケロイド写真をかざしながらの演説を思い出す。「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ」との叫び声に世界の人々が共感した。安倍・麻生・石破ボンボン・トリオに、その感性が無いのが怖い。

★その広島から一条の<希望の光>が見えた。広島高等裁判所岡山支部が「参議院選挙は違憲で無効」判決を下したことだ。最大4.77倍の一票の格差で選挙制度の定数配分に「一票の不平等」は著しい。
「国権の最高機関として適切に民意を反映する責務があり、……直ちに投票価値の平等が後退して良いという理由は無い」と断じた。

★<良識の府>とは参議院を例える代名詞だ。まさに、「良心と常識を持つ」政治家が、衆議院通過した法案を、日本国憲法の「国民主権」「基本的人権」「平和を愛する心」を評価基準にして「本当に国民のためになっているか」を判断することが試されている。
憲法違反の議員が、悪法通過させては前代未聞の「悪識の府」に成り下がる。

★昨年上梓した<東北再生スケッチ>三部作『舟曳き人』第U部<核と未来>篇の時代設定は1925(大正14)年だ。
3月7日に衆議院で治安維持法は可決され、続いて19日には貴族院でも可決。2月11日、東京各地での治安維持法等の反対デモを尻目に、2月19日に衆議院に同法案を緊急上程して、わずか1か月後に成立させた。

★同年7月18日にはヒトラーが獄中で口述筆記させた『わが闘争』を出版。7年後の1932年7月31日、総選挙でナチ党(230議席)、社会民主党(133)、中央党(77)、小政党(12)と一気に過半数を超える大躍進を果たし、翌年1月30日に首相になり国家権力を握り独裁体制を構築する。
まるで日本の参議院選挙を見ているようだ。


★一党独裁を許した7月21日(日)の参議院選挙が違憲判決なのだ。
特定秘密保護法案の衆議院での強行採決後、今日から参議院で審議が始まった。
なだいなだ氏が願ったような「常識を持った政治家」は<良識の府>を守れるだろうか。
今、一人ひとりの<良心>が問われている。それには国民が廃案にする気骨と信念が大切なのだ。

★今日の『東京新聞』で98歳のジャーナリストむのたけじ氏がインタビューに答えている。敗戦後に「戦争責任を取る」と辞職された気骨ある方だけに歯切れがいい。
「内務省や軍部は記事の内容や写真にいちいち文句を言わなかった。だけど、その前に新聞社側が二重、三重に自分たちで検閲するんだよ」と、自主検閲の罠に陥る。

★「敵国を欺く前に自国民をだますのが戦争の秘訣。そのために脅かして見ざる・聞かざる・言わざるにする『三ザル法』。今の秘密保護法はまさにそれだ」と、新聞社の空気も一変し、二人で話すしかない。「あいつは非国民」と当局に密告された時、犯人が分かるからだ。
情勢分析のために大勢で議論する<良識の火が消えた。(岳 重人)


2013(平成25年)11月28日
「参議院選の違憲無効」の日に
posted by 岳重人 at 12:15| Comment(0) | 日記
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