2013年12月05日

「秘密・軍事国家への道」に思う……『鐘撞き人』からのメッセージ(15)

<良識の府>とは参議院を例える代名詞だ。まさに、「良心と常識を持つ」政治家が、衆議院通過した法案を、日本国憲法の「国民主権」「基本的人権」「平和を愛する心」を評価基準にして「本当に国民のためになっているか」を判断することが試されている。憲法違反の議員が、悪法通過させては前代未聞の「悪識の府」に成り下がる。

★昨日、「参院選は違憲、無効」判決で「史上初の英断を尊べ」と『東京新聞』の社説で今日的意義を取り上げている。一面トップに横見出し「秘密国家へ道、廃案に」縦見出しに「分野越えノーベル賞学者ら会を結成」と<保護法案反対31人声明>が掲載されており、50音順に「特定秘密保護法案に反対する学者の会」名簿がある。

★「民主政治は市民の厳粛な信託によるものであり、情報の開示は、民主的な意思決定の前提です。特定秘密保護法案は、この民主主義原則に反するものであり、市民の目と耳をふさぎ秘密に覆われた国、「秘密国家」への道を開くものと言わざるをえません。……戦争へと突き進んだ戦前の政府をほうふつとさせます。」と危険性を指摘。

★「困難な時代であればこそ、報道の自由と思想表現の自由、学問研究の自由を守ることが必須であることを訴えたいと思います。そして私たちは学問と良識の名において、「秘密国家」・「軍事国家」への道を開く特定秘密保護法案に反対し、衆議院での強行採決に抗議するとともに、ただちに廃案にすることを求めます。」との声明。

★「良心と常識のある」学者たちも、ついに立ちあがった。11月20日の特定秘密保護法案の廃案を求めるメディア関係者総決起集会」のアピール有志の鳥越俊太郎氏がラジオで言っていた。実は賛同者の200名の名簿を添えて国会へのアピール文を提出時に、「内調」の職員が受け取ったので、「踏絵」を踏まされた気分になった。

★「内調」とは内閣情報調査室のことで、「内閣の重要政策に関する情報の収集及び分析その他の調査に関する業務をつかさどる」と内閣官房の一組織である。これがなかなかの曲者である。公安警察が大きな影響力を持つ公安情報機関だからだ。鳥越氏の危惧は、ブラックリストに載るメディア関係者200名の情報を提供したことになる。

★1945年10月4日、連合国総司令部(GHQ)は次のような「人権指令」を発した。(1)治安維持法などの治安法規を廃止すること(2)政治犯、思想犯を即時釈放すること(3)一切の秘密警察機関、検閲などを営む関係機関を廃止すること(4)内務大臣、警保局長、警視総監、特別高等課(特高)警察官を罷免することの即時実行を求めた。

★特定秘密保護法案をゴリ押しする安倍首相のポスターにあるスローガン「日本を、取り戻す。」は「人権指令」以前に戻すことだ。戦前の思想統制と弾圧する機関を解散・解体されたが、「人権指令」の正式名「政治的・市民的及び宗教的自由制限の撤廃に関する覚書」を完全に葬り去り「秘密・軍事国家」への道を再び復活させる。(岳 重人)


2013(平成25)年11月29日
「参議院選の違憲無効」の翌日に
posted by 岳重人 at 17:10| Comment(0) | 日記
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