「わたしがいちばん衝撃を受けたのは、『国に対して誇りをもっているか』という問いにたいする、日米の高校生の回答だ。「もっている」と答えた者が、日本は50.9%であったのにたいし、米国は70.9%(中国79.4%)。自国に誇りを持っている若者が半分しかいないのである」と安倍晋三・著『美しい国へ』の第7章「教育の再生」にある。
★「秘密はいやだ!U−20デモ」の参加者は「権力者に都合よく解釈されるような法は良くない」と意見が言えるほど、ボンボンよりも大人なんですよ。若者に誇りを持ってもいいね。頼もしい10代の若者は、どこかモーツァルトの音楽に通じるところがある。はつらつとして、明るくて、テンポがよく誰の心をも虜にしてしまう。
★<東北再生スケッチ>三部作の『鐘撞き人』でも、モーツァルトの楽曲が聴こえる。「1931年にドイツでは生誕175年の『モーツァルト・イヤー』でした。ある音楽家の『信仰心』が伝わってきます。“1931年は私たち音楽家にとって、モーツァルトは・・・憧れだった”モーツァルト没後140年の10年後に日本は太平洋戦争に突入」
★「モーツァルトの没後150年記念の1941年12月4日に、ウィーン国立歌劇場でナチスの宣伝相ヨーゼフ・ゲッペルスが、モーツァルトに贈るスピーチをしました。“明日、彼から人生最上の時期を与えられたウィーンの町で、彼の死の時刻に鐘が鳴り渡る時、すべての音楽の世界は彼とともにあることでしょう”」とアマデウスを讃える。
★その讃歌は続く。「“彼は、母なる大地に返される以上のものを我々に遺しました。それは時を超えた不滅の作品です。彼の肉体は消え失せました。……しかし彼の音楽は生き続けるでありましょう。なぜなら、それは安全な場所、民族の聖なる宝が保存される場所に居所を見つけたからであります。彼の同胞の心の内という場所に”」
★この宣伝相ゲッペルスのモーツァルト演説は「人間の偽善性」に満ちている。前段の「“モーツァルトの音楽は毎夜、内地でも前線でも鳴っています。それは、我らの兵士たちが東方の蛮族の激しい攻勢から守っているものの一部なのです”」と、まるでモーツァルトの音楽がドイツ軍兵士の守護神であり、戦意高揚に悪用されている。
★「アンネも愛した≪寛容と尊厳≫を奏でるモーツァルト、宮廷劇場付き詩人にして台本作家ロレンツォ・ダ・ポンテのモーツァルト・オペラの最高傑作『フィガロの結婚』『ドン・ジョバンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』三部作もドイツ翻訳に改悪された。ダ・ポンテがカトリックとなったユダヤ人だったから」でオペラも歪曲した。
★「最後にモーツァルトのモテット“アヴェ・ヴェルム・コルプス(まことの御体)K618”は1791年、35歳の作品で有名なレクイエムと前後の曲。悲惨な死を遂げた≪神の童≫の最後の祈りを込めた珠玉の宗教合唱曲」には、「死は終わりではない。さらに高貴な生への入り口である」と、ファーブルのラテン語の墓碑が輝いている。(岳 重人)
2014(平成26)年1月27日
「モーツァルト」誕生日に
2014年02月24日
「モーツァルト誕生日」に偽善性を思う………『国護り人』のメッセージ(50)
posted by 岳重人 at 18:13| Comment(0)
| 日記
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