2014年02月24日

「ケネディ大統領」の就任演説に思う………『国護り人』のメッセージ(51)

1月26日「10代だっていやなんだ」と特定秘密保護法反対のデモで渋谷・原宿周辺に650人が参集し自信を持って安倍ボンのゴリ押しをに反旗を翻している。「秘密はいやだ!U−20デモ」の参加者は「権力者に都合よく解釈されるような法は良くない」と意見が言えるほど、ボンボンよりも大人なんですよ。若者に誇りを持ってもいいね。

★「ケネディ大統領は1961年1月の就任演説で、“我々に好意を持つ者であれ、敵意を持つ者であれ、すべての国をしても次のことを知らしめよ。我々は自由の確保とその勝利のために、いかなる代償も支払い、いかなる負担も厭わず、いかなる困難にも進んで直面し、いかなる友人も助け、いかなる敵とも戦う、ということを”」

★安倍ボンは好きな?ケネディ大統領就任演説を『美しい国へ』でも引用。その後がいけない。「ブッシュ大統領がこれと同じことをいえば、おそらく『なんと好戦的な』といわれるだろう。ケネディは、リベラルの代表格であり、民主党出身の大統領である。アメリカの大統領は、表現こそ違え、じつは代々、同じような主張をしている」

★この認識の仕方は小学生以下だ。よく子どものケンカの仲裁をすれば分かるが、「誰々ちゃんはいい」のに、泣きながら「なぜボクちゃんが同じことをいったらダメ?なの」と訴えている姿が浮かぶ。やはり安倍ボンは、駄々っ子の域を脱していない。一国の首相になる品格としては、まことに恥ずかしい限りだ。甘やかした結果だ。

★就任演説を引用するならば、次の一節にすべきだ。“我々があの最初の革命(独立戦争)の子孫だということを、我々は今日も忘れまい。この時、この場所から、友にも敵にも、次の言葉を伝えよう。すなわち、たいまつはアメリカの新しい世代に引き継がれた、ということを”と、先祖の遺志のシンボルである「たいまつ」をかざした。

★“その新しい世代は、今世紀に生まれ、戦争と、厳しく、苦しみを伴う平和に鍛えられ、古来の遺産を誇りとしている。さらに、我が国が国内外で常に守り続け、今日も守っている人権が、次第に侵害されつつあるのを目撃したり、許したりすることはないのだ”と、メッセージは明確だ。“the torch(たいまつ)はthe baton(バトン)”と言い換えられる。

★ケネディ大統領はワガママ安倍ボンと違って、
世紀の未来の若者たちを信頼し、誇りを持って人権を守ることを激励している。一方、自分の思うままにならないことでは、周囲が自分の言動を誤解している、と他人のせいにする。『施政方針演説』で35回も使った「世界」のダボス会議でも赤恥をかいてくる結果になっているのだ。

★J・F・ケネディ氏はわずか43歳で史上初カトリック系の35代大統領になった。1962年10月22日、キューバ危機は「米ソ核戦争の1秒前」と世界を震撼させた。そして、1年1か月後の1963年11月22日にケネディ大統領は遊説中のダラスで暗殺された。自由の担い手であり、演説の名手だったケネディ人気は、今も衰えない。(岳 重人)


2014(平成26)年1月28日
「初不動」の日に
posted by 岳重人 at 18:46| Comment(0) | 日記

「モーツァルト誕生日」に偽善性を思う………『国護り人』のメッセージ(50)

「わたしがいちばん衝撃を受けたのは、『国に対して誇りをもっているか』という問いにたいする、日米の高校生の回答だ。「もっている」と答えた者が、日本は50.9%であったのにたいし、米国は70.9%(中国79.4%)。自国に誇りを持っている若者が半分しかいないのである」と安倍晋三・著『美しい国へ』の第7章「教育の再生」にある。

★「秘密はいやだ!U−20デモ」の参加者は「権力者に都合よく解釈されるような法は良くない」と意見が言えるほど、ボンボンよりも大人なんですよ。若者に誇りを持ってもいいね。頼もしい10代の若者は、どこかモーツァルトの音楽に通じるところがある。はつらつとして、明るくて、テンポがよく誰の心をも虜にしてしまう。

★<東北再生スケッチ>三部作の『鐘撞き人』でも、モーツァルトの楽曲が聴こえる。「1931年にドイツでは生誕175年の『モーツァルト・イヤー』でした。ある音楽家の『信仰心』が伝わってきます。“1931年は私たち音楽家にとって、モーツァルトは・・・憧れだった”モーツァルト没後140年の10年後に日本は太平洋戦争に突入」

★「モーツァルトの没後150年記念の1941年12月4日に、ウィーン国立歌劇場でナチスの宣伝相ヨーゼフ・ゲッペルスが、モーツァルトに贈るスピーチをしました。“明日、彼から人生最上の時期を与えられたウィーンの町で、彼の死の時刻に鐘が鳴り渡る時、すべての音楽の世界は彼とともにあることでしょう”」とアマデウスを讃える。

★その讃歌は続く。「“彼は、母なる大地に返される以上のものを我々に遺しました。それは時を超えた不滅の作品です。彼の肉体は消え失せました。……しかし彼の音楽は生き続けるでありましょう。なぜなら、それは安全な場所、民族の聖なる宝が保存される場所に居所を見つけたからであります。彼の同胞の心の内という場所に”」

★この宣伝相ゲッペルスのモーツァルト演説は「人間の偽善性」に満ちている。前段の「“モーツァルトの音楽は毎夜、内地でも前線でも鳴っています。それは、我らの兵士たちが東方の蛮族の激しい攻勢から守っているものの一部なのです”」と、まるでモーツァルトの音楽がドイツ軍兵士の守護神であり、戦意高揚に悪用されている。

★「アンネも愛した≪寛容と尊厳≫を奏でるモーツァルト、宮廷劇場付き詩人にして台本作家ロレンツォ・ダ・ポンテのモーツァルト・オペラの最高傑作『フィガロの結婚』『ドン・ジョバンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』三部作もドイツ翻訳に改悪された。ダ・ポンテがカトリックとなったユダヤ人だったから」でオペラも歪曲した。

★「最後にモーツァルトのモテット“アヴェ・ヴェルム・コルプス(まことの御体)K618”は1791年、35歳の作品で有名なレクイエムと前後の曲。悲惨な死を遂げた≪神の童≫の最後の祈りを込めた珠玉の宗教合唱曲」には、「死は終わりではない。さらに高貴な生への入り口である」と、ファーブルのラテン語の墓碑が輝いている。(岳 重人)


2014(平成26)年1月27日
「モーツァルト」誕生日に
posted by 岳重人 at 18:13| Comment(0) | 日記

「国旗制定記念日」に道徳・修身を思う………『国護り人』のメッセージ(49)

公共の精神や豊かな人間性を培うために、道徳を特別の教科として位置づけ、教科書の改善に向けた取り組みに邁進する、の危険性にもうお気づきだろうか。ここに本音の部分があぶり出されている。殊更、道徳教育を強化することで、ますます年齢制限のレイティングが厳格になっていき、それは「想定内」の検閲制度に近づくだろう。

★安倍ボンの自画自賛が続く。「改正教育基本法の下、全国学力テストを受けてきた世代です。一次内閣以来の公教育の再生が、確実に成果を上げています。やれば、できる」第一次改訂(1910年)の国定修身教科書では、「皇国民錬成」が目標になっていく。

★覚えているだろうか。ある特攻隊員が最期の出撃で、家族への「心の遺書」として遺骨代わりに、血染めの日の丸の旗に知覧特攻基地の桜のつぼみと小枝を贈った。そして「朝夕の君のおもひて我は征く またぞ会ふ夕を夢に見つつも」と日記帳の裏表紙に「辞世の句」が記されていたのを。日の丸国旗がどんな意味を持っていたのか。

★一枚の写真がある。それは7人の特攻隊員が女子学生から贈られた血書の日の丸の旗を囲んで、決意を新たにする場面だ。防風グラスを頭に上げ、左腕には日の丸があり、左手には剣を持っているのかその柄が見える。また旗の上には「至誠」が、隊員一人ひとりの「まごころ」を託すように血染めされている。誰もが10代の若者だ。

★「日本ヨイ国、キヨイ国。世界ニ一ツノ神ノ国。日本ヨイ国、強イ国、世界ニカガヤクエライ国」という超国家主義の教材が道徳(修身)教育で徹底されることになる。「日の丸の旗」も侵略のシンボルとして教えていた。「敵軍を追ひはらって、せんりやうしたところに、真っ先に高く立てるのは、やはり日の丸です」と、強い国なのだ。

★「わたしがいちばん衝撃を受けたのは、『国に対して誇りをもっているか』という問いにたいする、日米の高校生の回答だ。「もっている」と答えた者が、日本は50.9%であったのにたいし、米国は70.9%(中国79.4%)。自国に誇りを持っている若者が半分しかいないのである」と安倍晋三・著『美しい国へ』の第7章「教育の再生」にある。

★これは日本青少年研究所が日米中の3か国で高校生を対象に行われた「高校生の学習意識と日常生活」(2004)調査だ。日の丸の旗振りしながら声高に「強い国」を強調する安倍ボンには若者も辟易している。ボンボンが施政方針演説で『日本人はもっと自信を持って、自分の意見を言うべき』と、留学生の言葉を引用するまでもないだろう。

★26日「10代だっていやなんだ」と特定秘密保護法反対のデモで渋谷・原宿周辺に650人が参集し自信を持って安倍ボンのゴリ押しをに反旗を翻している。「秘密はいやだ!U−20デモ」の参加者は「権力者に都合よく解釈されるような法は良くない」と意見が言えるほど、ボンボンよりも大人なんですよ。若者に誇りを持ってもいいね。(岳 重人)


2014(平成26)年1月27日
「国旗制定記念」の日に
posted by 岳重人 at 17:39| Comment(0) | 日記